【楽曲分析】『ねえ、言っちゃうよ。』から学ぶ、エモい夏曲の仕組み【学マス】

楽曲分析

以前から学マスの夏といえばサマーマ(サマーマってなんだ?)と冠菊だったわけですが、2026年に新曲が加わりました。

そう、『ねえ、言っちゃうよ。』です。

こちらの曲をピアノで打ち込んでいて気付いたことがあるので、ここに記そうと思います。

エモい夏曲の仕組みを見ていきましょう!

ご本家様のMVはこちら。

ピアノで打ち込んだものはこちらです。

参考までに、BPMは137、キーはA♭です。

イントロ頭のコード、ほかの夏曲との共通点

イントロから既にエモくて惹き込まれます。

このイントロを聴いたとき、下記の二つの楽曲と似た雰囲気が感じられました。

  • 夏の大三角形 / NICO Touches the Walls
  • 八月のif / Poppin’Party

どちらも同じく夏曲です。

コードを見てみると、Iadd9から始まっているという共通点があります。

『夏の大三角形』はBadd9。(ChordWiki様を参照)
『八月のif』はAadd9。

『ねえ、言っちゃうよ。』はA♭add9です。

add9は夏の爽やかな印象を演出するのに適しているようですね!

それを最初のコードとして響かせることによって、この曲はこういう曲だよ!と教えてくれる役割があるのでしょう。

add9について興味があれば、こちらの記事をご覧ください!

ちなみに、もう一つ見つけた共通点として、三曲とも転調がありません。
これをどう解釈するのか、ただの偶然で夏曲とは無関係なのかは未だ自分の中に落とし込めてません。
皆さんはどう思いますか?

Aメロのコード進行

Aメロは下記のコード進行を繰り返します。

|A♭/C |D♭ |E♭ |Fmin |

ディグリーネームだと
I/III → IV → V → VIm
であり、オンリーワン進行(I → IV → V → #Vdim → VIm)に近い進行です。
※人によっては下記をオンリーワン進行としている場合も見られますが、ここでは#Vdimを経由するものをそう呼ぶことにします。
・I → IV → V → III7 → VIm
・I → IV → V → VIm

『ねえ、言っちゃうよ。』で使われているのは、#Vdimを省略したケースです。多分。
また、先頭は分数コードになっており、ベースが次のD♭へと半音でつながるようになっています。

オンリーワン進行は、『世界で一つだけの花』のサビなどで使用される進行です。
「オンリーワン」という呼び名もそこから来ているとか。

メジャーコードの明るい雰囲気から始まり、VImの響きへつながるのが切なさを感じさせます
そういう意味では、王道進行(4536)とも似ていますね。

同じく学マスの楽曲だと、『世界一可愛い私』のサビでも使用されています。

ChordWiki様では、この「オンリーワン進行」がタグとして存在しており、紐づいている使用楽曲を見ることができます。

サビのコード進行、グッとくる響き

サビのコード進行。

D♭maj7 → Cmin → Fmin → B♭min7 → C7 → Fmin

ディグリーネームだとIVmaj7 → IIIm → VIm → IIm7 → III7 → VImです。
最初の「IVmaj7 → IIIm → VIm」は王道進行(4536)のVを落としたものです。

そして、サビの中でも最もグッとくるのは、個人的にはC7のところ、
『白いワンピース』のところだと思います。

キーはA♭なので、C7はノンダイアトニックであり、Fminへ解決するセカンダリードミナントです。

そして、ボーカルメロディーはソ#とミを通っています。

  • 『白い』…ソ#
  • 『ワンピース』の『ー(い)』…ミ

ソ#は C7 に対して♭13 のオルタードテンションです。
また、ミは C7 の中でも特にノンダイアトニック感が出る、スケール外の音です。

これらの音が巧みに使用されることによって、切なさを感じるエモい響きになっているのだと考えられます。

ピアノアレンジの動画だと、これらの音を通っている様子が視覚的にもわかりやすいです。(宣伝)
記事の冒頭でも載せたけど、もっかい載せちゃおっと!

セカンダリードミナントとかオルタードテンションとか、
何それ?
って方は下記の記事も読んでみてください!

ラスサビ、フィナーレへ向かうリズム

ラスサビの『笑い飛ばしてしまわないで 大好きな人』の部分では、四つ打ちのリズムが強く伝わってきます。

より正確に言うと、それまでの該当メロディーの箇所では、キックが四つ打ちのリズムを刻んでおり、スネアは裏拍で叩かれています。
ところが『笑い飛ばしてしまわないで』からの部分では、スネア(あとハイハットとキーボード)が四つ打ちのリズムになり、代わりにキックが裏拍で鳴っています。

聴き手を飽きさせないため、そしてフィナーレに向かって盛り上げるために変化を加えたと考えられますが、ここでお得意の深読みをしてみます。

この強く伝わる四つ打ちのリズムは、心臓の鼓動を表しているという解釈はどうでしょうか?

場面としては、『ねえ、言っちゃうよ。』からの『笑い飛ばしてしまわないで』です。
つまり、将に言わんとす。みたいなタイミングなわけです。

『返事よりも』と続いていくので、まだ言わないことにしたとも考えられますが…。
兎にも角にも、ドキドキが最高潮であることには違いないでしょう。

まあ、一番のサビの時点で既に『はやる鼓動』と言っているので、やっぱり深読みかもね!

ラスサビの歌詞

ところで、解説中に「将に言わんとす。」とか言い出して、突然おかしくなったのかと思いましたか?
その通りです。
完全に深夜テンションです。

せっかくだから、オチとして漢文に関係したネタでも言っちゃうよ。とか思って調べていると、『長恨歌ちょうごんか』という詩があることを知りました。
その一節に、『地に在りては願はくは連理の枝とらんと』というのがあるらしく。
連理の枝」というのは、2本の木の枝がひとつにくっつく様子から、男女の仲が良いことなんだとか。

ラスサビの『方向を揃えて そしてひとつになって 混ざり合えたなら』という歌詞は、直前の『伸ばす影模様』という歌詞から考えて、向かい合って抱きしめ合い、影が重なるシチュエーションのことだと思っていたのですが、もしかしたら「連理の枝」から来ているのかもしれないですね!

これも深読みかもしれませんが。

まとめ

オチはありません。
その席は長恨歌ちょうごんかに奪われました。
私じゃなく長恨歌ちょうごんかのせいだから。

ねえ、言っちゃうよ。何度聴いてもいい曲ですよね!
毎年聴く夏曲が、また一つ増えてしまいましたね!
夏じゃなくても聴きまくるんだけどね!
この記事で、あなたに新たな視点が生まれていれば幸いです。

まとめついでに、言い残したことをここで言っちゃおうと思います。

まず、記事内でも登場した『夏の大三角形 / NICO Touches the Walls』ですが、サビ終わりのコードが特に好きです。
キーはBであり、ノンダイアトニックのGが使用されています。
これは、同主調であるBmキーからの借用と解釈できます。
歌詞の通り、『世界を壊して』いるのが印象的で、カッコいいです。

あと、同じく記事内で登場した『八月のif / Poppin’Party』のピアノアレンジ動画も過去にアップしていますので、良ければご覧ください!(宣伝)

言い残したこと、もう一つ。

学マスの他の楽曲も分析した記事がありますので、ぜひ読んでみてください!

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