ボカコレ2026冬のREMIX部門で1位だった投稿者の方が、受賞をご辞退なさったことが話題になっていましたね。
編曲作業の大部分に生成AIを使用していた事実を明記せず、誠実さや公平性に欠くものであると痛感されて、受賞の取り下げとランキングの除名を申し入れたとのことです。
ネット上では様々な意見が見られますが、音楽とAIの関係性を考えるきっかけになっているように思います。
本記事では、筆者のAIに対する考えを書いていきます。
異論は認める!
結論:AIは悪ではない(ただしAIを悪用する人は悪)
AIを悪とするのは、かなり極端な意見のように思います。
技術自体に良いとか悪いとかはありません。
包丁は危ないから悪!と言っているようなものです。
AIを活用すると、より柔軟な創作活動をする助けになるでしょう。
ただし、AIを悪用する人は悪いと言わざるを得ません。
では、悪用とはどのようなことでしょうか?
いくつかあると思いますが、そのうちの一つとして、今回の話題を例にしてみます。
それは、AIで生成したにもかかわらず、自作したと偽ることです。
ゴーストライターにも似ていますね。
嘘をつくのは良くないっていう単純なことです。
この観点では、今回受賞をご辞退された投稿者様は、最終的には大部分がAI生成を活用したものだとご自身で公表されています。
また、ボカコレの「規約」や「運営からのお願い」、「よくある質問」を読んでも、生成AIに関するルールは見当たりませんでした。
しかし、投稿者様がおっしゃっているように、原作者様への配慮に欠けていたというのはあると思います。
REMIX部門でなければ、ここまで今回の問題が議論されなかったかもしれませんね。
AIに丸投げするのは作曲家ではない
作曲家ではないことを悪く言うつもりはありません。
ただ、事実として作曲家ではありません。
まず、作曲家とリスナーは次のような関係にあります。

毎秒投稿してくれ~

曲作ったよー

ええやん!
一方で、AIとAI丸投げ師は次のような関係です。

曲作ってくれ~

曲作ったよー

ええやん!
まるで作曲家とリスナーのようですね。
厳密にはプロンプトにこだわるとかあるのかもしれませんが、だとしても作曲家に依頼しているみたいなものですからね。
やはりAIに丸投げで生成してもらうだけでは作曲家とは呼びづらいです。
AI丸投げ師は苦労してないから悪なのか?
私の考えでは、苦労してないというのは悪い理由になりません。
冒頭にも書いたように異論は認めます。
その人にとって何が重要かという価値観が異なるだけだと思います。
人の手によって生み出された作品に価値を感じる。
制作過程のエピソード込みで作品を好きになる。
わずか数時間で書き上げられた作品に名曲らしさを感じる。
制作に長い時間をかけられた作品にこそ味がある。
再生回数こそが正義。
歌詞が自分に刺さる曲が好み。
十人十色の考えがあります。
どれも間違いではないので、自分の正義や悪を人に押し付けたくはありませんね。
AIは人の曲を真似してるから悪なのか?
これは悪ではないと言わせてください。
もちろん、
そっくり同じじゃん!
みたいなことになると問題です。
しかし、すべての作曲家は多かれ少なかれ、何かしらの曲に影響を受けています。
昔の偉い人が体系化した音楽理論に沿って制作したりもします。
それに、コード進行には著作権がありません。
なので、丸サ進行とか小室進行とか使われまくっています。
真似してるから悪!と言われてしまうと、すべての作曲家が困ってしまいます。
AIにファンはつかない。たぶん
あなたには好きなバンドやアーティスト、作曲家はいますか?
仮に、その人の曲がすべて、実はAIによって生成されたものだと明かされたとしましょう。
もしかしたら、あなたはその人のファンではなくなってしまうかもしれません。
では、代わりにそのAIのファンになりますか?
私の場合は、AIのファンにはならないと思います。
曲自体は変わらず好きなままでしょう。
新曲が公開されたら聴くでしょう。
でも、それは曲を魅力的だと思っているだけであって、AIに対する魅力は感じていません。
なので、
ライブに行きたいとか、
グッズを集めたいとか、
サインが欲しいとか、
紅白に出るらしいぞ!絶対見なきゃ!とか。
AIに対しては思わないのではないでしょうか?
いや、AIが紅白に出るなら見るか。
でもそれは興味本位だったり曲が好きだから見るのであって、AIのファンだから見るわけではありません。
そういえば、2019年にはAI美空ひばりが紅白に出場しましたが、その時も色々と議論がありましたね。
あなたはどうですか?
AIのファンになりますか?
安さで売ってる作曲家・編曲家は淘汰されるかも…?
AIがもっと普及して一般的になって、誰でも息を吸うように無料のAIを使って曲を生成できるようになったとします。
そうなると、
何でもいいからオリジナルの曲が欲しいぜ!
という人は、AIを活用するようになるでしょう。
だとすると、安さで売っているクリエイターは仕事が少なくなるかもしれません。
安さに魅力を感じる人たちは、息を吸うように使える無料のAIで生成するからです。
一方で、ファンがたくさんいたり、知名度があったりするクリエイターには影響はあまりないと考えられます。
ライブには大勢の人が集まり、CDが売れたり、音楽サブスクで聴かれまくるでしょう。
依頼するにしても、単純に好きだから依頼したいとか、知名度があるから戦略的に依頼したいとか、そういった理由はAIでは替えが利きません。
AIはお助けツールとして使うのがちょうどいい
実際に、すでにAI機能が搭載されたツールが存在します。
代表例を3つ見てみましょう。
Synthesizer V AI
Dreamtonicsが開発する歌声合成ソフトウェアです。
様々なキャラクターが存在し、それぞれ魅力的な歌声を持っています。
初音ミク V6
こちらは2026/04/14発売予定の初音ミクです。
機械学習により、自然な歌唱表現に長けているとのこと。
初音ミクらしさもしっかり残っていますね。
ACE Studio
個人的に、最近広告でよく流れてきます。
歌声が楽器の音に変換されるのが面白いです。
まとめ
AIとの付き合い方についてまとめると、ルールを守って楽しく使えばよくない?って感じです。
AIを道具扱いして、ファンはつかないとか言っちゃって。
将来的にAIロボットが暴走するようなヤバい事態になったとき、私は生き残れるのでしょうか。
わずかな希望にかけて、サイン色紙でも常備しておくか…。

