以前の記事では、テンションコードについて説明しました。
そこで紹介したコードたちは、より細かく分類すると、ナチュラルテンションコードと呼ばれます。
この記事では、ナチュラルではないテンションコード、オルタードテンションコードについて説明します!
オルタードテンションとは?
オルタードテンションとは、テンションノートを半音だけ上げたり下げたりしたものを指します。
オルタード(altered)とは、「変更された」という意味です。
ナチュラルテンションには9th、 11th、 13thがありましたね。
これらを半音だけ上か下に動かした4種類(♭9、#9、#11、♭13)がオルタードテンションとして使用されます。
♭11と#13は…?
おいおい、♭11と#13を忘れてるぜ?
しっかりしてくれよ!
と思いましたか?
なんと、♭11と#13は正確にはオルタードテンションではないのです。
これは落ち着いて考えれば理解できます。
まず、♭11は♭4と同音です。
つまり、3度(M3)と同じですので、メジャーコードに最初から含まれています。
例えば、Cに対する4度の音は「ファ」であり、♭4はその半音下の「ファ♭(ミ)」です。
確かに、最初からCに含まれていますね。
次に#13ですが、これは#6と同音です。
つまり、m7と同じですので、こちらも最初から四和音に含まれています。
ここでもCを使って確認してみましょう。
6度の音は「ラ」であり、#6は「ラ#(シ♭)」です。
やはり、m7と一致しますね。
#13はm7コードに含まれている。
じゃあM7コードだったらどうなのよ?
と思われるかもしれませんが、M7とm7が半音でぶつかるので原則使われません。
そんな訳で、♭11と#13はをオルタードテンションとすることは基本的にはなさそうです!
使い方と実際に使用されている楽曲
ChordWiki様を徘徊して見つけてきた楽曲を例に挙げて、使い方を紹介します。
♭9
♭9は「Pretender/Official髭男dism」のAメロで使用されているようです。
『予想通り』とかのところです。
キーはA♭で、C7(♭9) → Fm7の進行です。
ここでは、セカンダリードミナントに♭9を追加して、マイナーコードに解決する使われ方をされています。
♭9は5度の音とトライトーン(全音3つ分の距離)の関係にあり、ルート音とは半音の距離にあるので、強い緊張感を持ちます。
また、マイナーコードに対して半音の動きで繋げられます。
・ミ(C7(♭9)の3度)→ ファ(Fm7の1度)
・ソ(C7(♭9)の5度)→ ラ♭(Fm7の3度)
・ド#(C7(♭9)の♭9度)→ ド(Fm7の5度)
これらの理由で推進力を強化できます。
加えて、♭9は同主調の音です。
例として挙げたC7(♭9)の♭9である「レ♭」は、キーA♭の同主調であるキーA♭mに含まれる音です。
これがマイナー感、暗い印象を与えます。
『ひとり芝居』が『予想通り』であるという悲しい歌詞にマッチしています。
#9
#9は「ようこそジャパリパークへ / どうぶつビスケッツ×PPP」のAメロで使用されているようです。
『笑えば』のところとかです。
キーFで、『笑えば フレンズ』とかのところは C7(#9) → Fmという進行になっています。
これも♭9と同様で、ドミナントに#9追加してマイナコードへ解決する形で使われていますね。
#9はm3と同じ音ですので、メジャーコードとマイナーコードの両方の響きを持っていると言えます。
この独特な響きが緊張を生み、解決感を高めます。
ちなみに、7(#9)はジミ・ヘンドリックスが多用したことからジミヘンコードと呼ばれます。
Purple Hazeでは、E7(#9) → G → A を繰り返すようです。
#11
#11は「snowdrop / 春奈るな」のラスサビ(落ちサビ?)の頭で使用されています。
『すごく好きな人の』のところです。
キーはDで、GM7(#11) → D/F# という進行とのこと。
ここではM7に追加する形で#11を鳴らし、トニックへ解決しています。
独特の浮遊感と哀愁を感じる響きになっています。
最も目立つボーカルメロディーが#11なことによって、その感覚がさらに伝わりやすくなっているのではないでしょうか。
♭13
♭13は「一体いつから / 月村手毬 (CV. 小鹿なお)」のサビで使用されています。
『生きてくことだけ』の部分です。
キーはFです。
『生きてくことだけ』から順にコードを見ていくと、Am7(♭13) → A7(♭9)/C# → Dm7 とのこと。
トニックの代理であるIIIm7に追加する形で♭13が使用されています。
その後、セカンダリードミナントに♭9を加えて鳴らし、平行調の主和音であるDm7に解決という進行です。
ここでは ♭13 は「ファ」であり、Am7(♭13) の中にはトニックであるFの構成音が含まれていることになります。
これが独特の切なさを生み出していると考えられます。
まとめ
オルタードテンションについて解説してきました。
それぞれ独特で複雑な響きを持っていて面白いですね!
皆さんもどんな曲に使われているか調べてみてください!
そして、自作曲でも使ってみましょう!

