
G# も A♭も同じだろ?
使い分けなんていらんでしょ!
って方向けの記事になっております。
同じだけど違う
G# も A♭も同じだろ?と言われたら、
同じだけど違う
というのが答えになります。
どういうことか、説明していきます。
まず、ピアノの鍵盤で G# はここです。

そして、A♭はここです。

同じですね。
しかし、音楽理論的には違う音として扱われます。
これを「異名同音(いめいどうおん)」と言います。
実際の音は同じだけど、違う名前で呼ぶという意味です。
音楽理論的に違うとは?
これを説明するためには、スケールについて考える必要があります。
スケールって何よ?
って方は、先にこちらの記事をご覧ください。
ここでは例として、Fメジャースケールについて考えてみましょう。
スケール構成音は
F, G, A, B♭, C, D, E
です。
♭が一つありますね。
これを

♭より#のほうが好きだから、入れ替えてやるぜ!
なんて言い出したら、どうなるでしょうか?
鍵盤上は変わりませんが、
スケール構成音は
F, G, A, A#, C, D, E
になります。
アルファベットの A が重複してしまっていますね。
しかし、音楽理論では「スケールの音名は重複しないようにする」
というルールが存在します。
つまり、スケール内に A もあるし A# もあるというのは誤った書き方なんですね。
いや、ピアノの鍵盤では同じなんだし、そんなルール意味なくない?
って思いましたか?
確かに、多くの人にとってはどうでもいいルールなのですが、
明確に困ったことになるケースがあるのです。
明確に困ったことになるケース
ずばり、楽譜を書く時に困ります。
ここに五線譜があります。
さっきの例を使って、Fメジャースケールとしましょう。
スケール構成音はこのように書けます。

さて、♭より # が好きな人のために、入れ替えてあげましょう。
F, G, A, A#, C, D, E
すると、どうなるでしょうか?
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♭を使っていた時に A が座っていた席に、A# が座っています。
A の席がありません。
これはひどいですね。
臨時記号として♮を付ければ表現することは可能ですが、臨時記号はあくまで一時的に音を変化させるための記号です。
スケール構成音を表現するために使うのは、その使い方から外れます。
なので、好き勝手に♭と # を入れ替えちゃうと困ったことになるってわけ!
じゃあ、音名が重複しないようにしつつ # を使えばいいじゃん!
って思いましたか?
まったく、# のやつは幸せ者だよ。
こんなに愛されてさ。
しかし、音名が重複していなかったとしても、好き勝手にできません。
さっきの例を続けてみましょう。
Fメジャースケールで音名が重複しないようにしつつ # を使いたい…
確か、A と A# が重複しているせいだったよな…
なら、A を G## にしてやるぜ!
(※##は「ダブルシャープ」で、半音2つ上げる記号です)
これでどうだ!
F, G, G##, A#, C, D, E
ん?!
今度は G と G## が重複してる…!
それなら、これでどうだ!
F, F##, G##, A#, C, D, E
ん?!
今度は F と F## が重複してる…!
これを続けると、最終的なスケール構成音は
E#, F##, G##, A#, B#, C##, D##
となります。
Fメジャースケールのはずなのに、Fという音名がなくなってしまいましたね。
やはり♭と # を好き勝手変えていいわけではないということです。
しかも、めっちゃ読みづらいですよね。
♭を使えば、「F, G, A, B♭, C, D, E」で済むのに。
ピアノの鍵盤上では同じ音なのに、大違いですね。
月と鼈です。
すっぽんってこんな漢字なのかよ。
じゃあ、このケースはどうなんだよ?
G♭メジャースケールの構成音は
G♭, A♭, B♭, C♭, D♭, E♭, F
です。
音名の重複を避けるため、B ではなく C♭と表現しています。
これを # で表してみましょう。
F#, G#, A#, B, C#, D#, E#
F#メジャースケールということになります。
♭の数も # の数も同じです。
特にどっちでも良さそうな気がしますよね?
しかし、これらも使い分けられているようです。
使い分けの基準としては、以下のように言われています。
その1. 調整の流れ
転調前のキーがどうだったのか、ということです。
D♭メジャーから転調した場合は G♭メジャー
Bメジャーから転調した場合は F#メジャー
♭系なら♭系、#系 なら#系といった具合で、流れから自然なほうを選択するという基準です。
確かに、
「これまで♭を使っていたのに、転調したら急に#で表現します!」
って言われても
「いや、統一してくれ!」
って感じですよね。
その2. 楽器ごとの読みやすさ
楽器ごとに読みやすいほうがあるとのこと。
ピアノ演奏者は♭、ギターなら#が読みやすいとか、演奏しやすいとか、
そういうのがあるらしいです。
そうなんですか?
すまねぇ。楽器はさっぱりなんだ。
とにかく、目的があって♭と#を使い分ける必要がありそうですね!
まとめ
#と♭の使い分けについて説明してきました。
#ファンの皆様、そして♭ファンの皆様。
あんまり意識してこなかったよって方は、これを機に使い分けてみてはいかがでしょうか?
今回はここまで!
ありがとうございました!

